【高校 情報1】擬似言語はあの言語に似ている?文法ルールの違いを比較

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生徒
生徒

プログラミング言語って種類あるし、共通テストでは擬似言語?なにそれ…?

高校の「情報1」でプログラミング言語を学びますが、その種類は

  • JavaScript
  • Python
  • VBA
  • Scratch

と分かれており、それぞれの学校でどの言語を採用するかは判断が委ねられています。

eyecatch-135v2【高校 情報1】JavaScript?Python?大学入学共通テストで有利なプログラミング言語とは?

そこで、共通テストではそれぞれの言語の間を取ったような「擬似言語」という言語で出題されます。

生徒
生徒

それぞれどんな文法上の違いがあるの?

という疑問に対して、今回は、それぞれの言語について文法ルールを比較しました。

擬似言語はどの言語に似ているのか、この記事を読めば掴めるようになるはずです!

ぜひ最後まで読んでみてください。

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コトゼニ(@kotozeni
  • 教育業界・学習塾で10年以上勤務。教員免許状所持
  • 500人以上の生徒に学習・進路指導:合格率 94.7%
  • プロ家庭教師・小学校学習支援サポーター、校内予備校の教室長
  • AIツールやオンラインでの豊富な指導経験を持つ
  • 不登校傾向のある生徒やギフテッドの特徴を持つ生徒も指導中

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プログラミングの基本事項

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この記事でとりあげる文法ルールは以下の項目に対してです。

  1. 文字列
  2. 変数
  3. 配列
  4. 算術演算子
  5. 論理演算子
  6. 比較演算子
  7. 制御文(条件分岐)
  8. 制御文(繰り返し)
  9. 関数
  10. コメント

また、Scratchについては、視覚的な言語であるため、今回は割愛しています。

その代わりに各項目について、「擬似言語ではどのように記述するか」も記載しています。

※擬似言語の記述ルールはこちらの資料(大学入試センター 「6-1 概要「情報」.pdf」)を参考にしています。

コトゼニ
コトゼニ

それでは早速みていきましょう!

文字列

文字列の使い方としてどの言語でも「ダブルクォーテーション(”)」で囲むことは共通しています。

JavaScriptPythonVBA擬似言語
「” “」で囲む
「” “」で囲む
「” “」で囲む
「” “」で囲む
例.”Hello”例.”World”例.”I’ll be”例.”back”

なお、文字列の連結の場合は少し方法が異なります。

JavaScriptPythonVBA擬似言語
「+」で連結
「+」で連結
「&」で連結
「+」で連結
例.”春は” + “あけぼの”例.”夏は” + “夜”例.”秋は” & “夕暮”例.”冬は” + “つとめて”

VBAだけは「+」ではなく「&」を用いる点がポイントですね。

変数の宣言

JavaScriptPythonVBA擬似言語
「var」「const」「let」
をつけて、英字で始まる英数字
英字で始まる英数字
Dim 変数名
  As データ型
英字で始まる英数字
例.
let number = 10
例.
str = “Hello”
例.
Dim num As Integer = 10
例.
kingaku = 300

JavaScriptでは、varletconstの3つのキーワードを使って変数を宣言することができます。(それぞれの違いはここでは割愛します)

Pythonでは、変数を宣言するために特別なキーワードは必要ありません。変数名を指定して、代入する値を設定することで宣言することができます。

VBAでは、Dimキーワードを使用して変数を宣言します。VBAでは、変数の型を指定する必要があります。(例、Integer、Stringなど)

擬似言語では英字で始まる英数字(小文字)で変数を表現します。英単語を使用することもあれば、ローマ字で表現することもあります。

どの言語でも初期値の代入も同時に行うことができます。

配列

JavaScriptPythonVBA擬似言語
let 配列名 = [要素1, 要素2, ...];
または
let 配列名 = new Array(要素1, 要素2, ...);
配列名 = [要素1, 要素2, ...]
または
配列名 = list([要素1, 要素2, ...])
Dim 配列名(要素数)
As データ型
配列名 = [要素1, 要素2, ...]
例.
let numbers = [10, 20, 30]
例.
data = [10, 20, 30]
例.
Dim arr As Integer
arr = Array(1, 2, 3, 4, 5)
例.
Data = [10, 20, 30]

配列は複数のデータを格納するために使用されます。

擬似言語においては「配列名が先頭文字が大文字」という特徴があります。

ちなみにPythonでは、リスト(list)と呼ばれる配列の一種があります。リストは、角括弧([ ])で囲まれた要素の並びで表されます。リストの要素には、文字列や数値、または別のリストなど、様々なデータ型を格納できます。

算術演算子

続いては算術演算子です。

演算子JavaScriptPythonVBA擬似言語
+加算++++
-減算----
*乗算****
/除算////
(整数同士の場合は÷)
%余り%%Mod%
**累乗****^**

算術演算子の場合は、言語による違いはほとんどありません。わかりやすいですね。

比較演算子

以下は、JavaScript、Python、VBAの比較演算子の表です。

演算子意味JavaScriptPythonVBA擬似言語
>より大きい>>>>
<より小さい<<<<
>=以上>=>=>=>=
<=以下<=<=<=<=
==等しい=======
!=等しくない!=!=<>!=

比較演算子の場合でも、言語による違いはほとんどありません。

プログラミングに慣れていない頃は「等しい」が「=」だと勘違いしてしまうので注意が必要です。

コトゼニ
コトゼニ

それに「情報関係基礎」では「=」は「等しい」という意味で使われているので過去問を解く際には注意しておきましょう。

eyecatch-4145v2【20年分の「情報関係基礎」を分析】「情報」に役立つアドバイス

論理演算子

演算子意味JavaScriptPythonVBA擬似言語
&&論理積&&andAndand
||論理和||orOror
!否定(論理否定)!notNotnot

注意点として、Pythonでは andornot が論理演算子として存在しますが、VBAでは AndOrNot の大文字で始まるキーワードが論理演算子として使用されます。

一方、JavaScriptでは「&&」「|| 」「not」というように記号を用いて表現しています。

擬似言語はPythonと同じように使用するため、覚えておきましょう。

条件分岐

続いては条件分岐です。ここから言語ごとに微妙な違いが出てくることが確認できます。

言語JavaScriptPythonVBA擬似言語
文法if (条件式) {
 処理
}else if (条件式) {
 処理
}else {
 処理
}
if 条件式1:
  処理
elif 条件式2:
  処理
else:
  処理
If 条件式 Then
  処理
ElseIf 条件式 Then
  処理
Else
  処理
End If
もし (条件式A) ならば:
| # 条件式Aを満たすときの処理
そうでなくもし (条件式B) ならば:
| # 条件式Bを満たすときの処理
そうでなければ:
└ # 条件式A、条件式Bを満たさないときの処理

それぞれの言語で「if」から記述をスタートさせていますが、Thenが付いたり「{ }」が付いたりと言語独自のルールがあることが見て取れます。

擬似言語では、プログラミング言語で記述されているものを翻訳したようなイメージですね。

繰り返し

一つ目の繰り返し文法は「条件を満たす間繰り返す」という繰り返し処理の記述方法です。

言語JavaScriptPythonVBA擬似言語
文法while (条件式){
 処理
}
while 条件式:
  処理
Do While 条件式
  処理
Loop
(条件式)の間繰り返す:
└ 処理

英単語のwhileの意味を表すように、条件を満たす間、処理が繰り返し実行されます。

続いて、回数が決まっているなど一定期間(回数)繰り返す際の記述方法です。

言語JavaScriptPythonVBA擬似言語
文法for (初期化式; 条件式; 更新式) {
 処理
}
for 変数 in イテラブルオブジェクト:
  処理
For 変数 = 初期値 To 終了値 Step 増分値
  処理
Next 変数
変数 を 初期値 から 終了値 まで増分値 ずつ増やしながら(減らしながら)繰り返す:
└ 処理

言葉で書くと難しくなりますが

たとえば、10回繰り返すことを「変数x を 0 から 9 まで1ずつ増やしながら繰り返す」というように具体的なコードで記述されればイメージしやすいでしょう。

このように、

  • 期間や回数が決まっている場合は、forを使った繰り返し文
  • 期間や回数は決まっていないが、条件を満たす間繰り返す場合はwhile文

というように使い分けることができます。

まずはその違いをしっかり把握しておきましょう!

関数

関数は共通テストの情報の問題では定義にまつわる問題は出題されにくいと考えるため、関数を呼び出し(利用)する際の記述方法について確認しましょう。

言語JavaScriptPythonVBA擬似言語
文法関数名(引数1, 引数2, ...)関数名(引数1, 引数2, ...)関数名 引数1, 引数2, ...関数名(引数1, 引数2)

基本的にはどの言語でも引数をつけて関数名を記述することで関数を呼び出します。

また、擬似言語では

関数の説明が注釈として加えられているため、関数の意味を事前に確認するようにしましょう。

コメント

最後はコメントです。コメントの記述方法も言語により微妙に異なります。

(1行のコメントの場合)

言語JavaScriptPythonVBA擬似言語
文法// これは一行コメントです# これはコメントです。' これは単一行コメントです。# コメント

Pythonと擬似言語は「#」をつけてコメントします。

どの言語でも共通していますが、コメントとして書かれた文章はプログラム実行時には無視されるルールとなります。

共通テストではコメントは多く登場しないかもしれませんが、登場する際にはヒントとなる文章である可能性が高いので見落とさず注目するようにしましょう!

まとめ

高校「情報1」で学ぶ(学校により異なりますが)プログラミング言語について、プログラミングの基本事項の文法の記述ルールを比較してみました。

このように見ると共通テストで登場する擬似言語とPythonは文法ルールが非常に似ています。

ただし、他の言語を学んでいるからといって、それが不利になるわけではありません。

重要なのは、基本事項をしっかり理解し、コードを読み解いたりコードに落とし込む力です。

どの言語でも共通な基本事項から学習していきましょう!

最後まで読んでいただきありがとうございました。

この記事が少しでも参考になれば幸いです。

それではまたここで会いましょう!

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