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大学入試に「情報」って教科が加わるって聞いたけど本当?
共通テストの「情報」ってどんな要項で実施されるの?
こういった疑問を解消する記事となっています!
学習塾業界に10年以上勤める私が、2025年度の大学入学共通テストから新たに教科として加わる「情報」について、試験概要についてまとめました。
この記事を読んでいただければ、どういう要項での実施が検討されているのかをお分かりいただけるでしょう。ぜひ最後まで読んでください!
解説の前に〜前提条件
試験概要について解説する前に、今回の記事は2022年8月9日時点で大学入試センターから公表されている情報を元に作成しています。令和7年度の実施なので、まだ決まっていない項目も含めて、変更点が出てくる可能性もたくさんあります。その点をご承知おきの上で、読んでいただきますようお願いいたします。
特に参考にした公開情報は以下より確認できます。(外部サイトへ遷移します)
試験概要
それでは早速、試験の概要を見ていきましょう。まずは範囲について。
範囲
まず、「情報」で1科目の試験となります。数学などの教科の一部の範囲として出題されるというわけでありません。「情報」として試験時間が設けられるということです。
そして、高校で学ぶ情報の授業は
- 問題発見・解決に向けて情報技術を適切かつ効果的に活用する力を育む「情報I」
- 情報1の上に、情報システムや多様なデータを適切かつ効果的に活用する力、コンテンツを創造する力を育む「情報2」
この2つに分かれています。
大学入学共通テストで実施される「情報」は必修科目である「情報I」の範囲から出題されることになっています。
出題科目は『情報』の1科目とする。『情報』は「情報Ⅰ」の内容を出題範囲とする。また,情報で一つの試験時間帯とする。
令和3年3月24日
大学入試センター
「平成 30 年告示高等学校学習指導要領に対応した
令和7年度大学入学共通テストからの出題教科・科目について」
試験時間
続いて、試験時間です。「情報」で独立した科目として実施される試験時間は「60分」です。
情 報: 出題範囲や他教科の試験時間等を考慮し、60 分とする。
令和3年 12 月
大学入試センター
令和7年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト実施大綱の予告(補遺)
他の教科と比較してみましょう。
教科 | 試験時間 |
情報 | 60分 |
国語 | 90分 |
地理歴史・公民 | 1科目選択:60分、2科目選択:130分(うち解答時間120分) |
数学① | 70分 |
数学② | 70分 |
理科 | 1科目選択:60分、2科目選択:130分(うち解答時間120分) |
外国語(英語の場合) | 80分【ICプレーヤーを使用する試験】60分(うち解答時間30分) |
試験時間を比較すると「情報」は「地理歴史・公民」「理科」の1科目選択の時と同じ試験時間になっています。そうすると問題量や配点なども、これらと同じ水準になることも予想できます。
配点
記事執筆時点では配点は明らかになっていません。
しかし、試験時間の箇所で触れたように、「地理歴史・公民」「理科」の1科目選択時と同じ試験時間ということを考慮すると、点数の比重も同じくらいと予想できるので、100点満点の試験になるのではないかと予想しています。
あくまで筆者の推測なので、今は鵜呑みにせず続報を待ちましょう!
実施方法
試験の実施方法はこれまで同様、PBT方式、つまり紙で実施する試験方法です。
「情報」といえば情報機器についても学びますし、コンピュータ関係の資格試験でもCBT(Computer-based Testing)方式(パソコンなどで実施する試験方法)が多いですから、「情報」の試験はCBT方式で実施されても違和感が無いようにも考えられますが、依然としてCBT方式で実施するには課題が山積されているようです。
CBT方式の検討は進められるようですが、当面はこれまで同様、紙での実施になるでしょう。
令和7年度大学入学共通テストではPBT(Paper-based Testing:紙で実施する試
令和3年3月24日
験)で行うこととする。大学入学共通テストをCBT(Computer-based Testing:コンピュータ等で実施する試験)で行うメリットは大きいが,単なる学力試験・調査等をはるかに超える実施水準が求められる大学入学者選抜の性質を考えると,全国的に均質で質の高い受験環境(パソコン,ネットワーク等)の確保,トラブルが生じた場合の対応体制の構築,新しい試験の在り方に対する受験者を含めた社会全体の理解などについて,細やかな検討が必
要である。これらを踏まえ,引き続き,CBTに関する調査研究を進めることとする。
大学入試センター
「平成 30 年告示高等学校学習指導要領に対応した
令和7年度大学入学共通テストからの出題教科・科目について」
得点調整
「情報」の試験は得点調整の対象科目となります。
得点調整とは、選択教科・科目間で問題の難易差による有利・不利が生じないように平均点を基準にその差を調整することです。難しく書いていますが、
「ある科目間で平均点に20点以上の差があれば点数を補正(調整)します。
平均点が低かった科目は(実質的に)点数が上がることになり、
平均点が高かった科目は(実質的に)点数が下がることになります」ということです。
実際に令和3年度に実施された大学入学共通テストでは、公民と理科②で得点調整が行われました。
2021年に高校入学した生徒は旧学習指導要領で勉強しており、新しい学習指導要領の「情報I」を履修していません。そのため、2021年度に入学した生徒が浪人して再度、2025年度に実施される大学入学共通テストを受験する際には「経過措置科目」として「旧情報(仮)」という科目を「情報」の代わりに受験することになります。その「旧情報(仮)」と「情報」の試験の結果、両科目に平均点の差が20点以上になれば得点調整が行われるよということです。
特に「旧情報(仮)」に関してはサンプル問題も公開されていませんので、全貌はわかりません。こちらも続報を待つようにしましょう。
令和7年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト(以下「令和7年度共通テスト」という。)における得点調整の対象教科・科目は,別紙の考え方に基づき,以下のとおりとする(別表参照)。
(略)
(6) 情報の『情報Ⅰ』と『旧情報(仮)』の間
令和3年 12 月 17 日
大学入試センター
令和7年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テストにおける
得点調整の対象教科・科目について
サンプル問題
最後に、「情報」の試験として「このような問題を出そうと考えている」というサンプル問題が公開されています。
その問題は大問3問構成になっており、各大問では以下の範囲から出題されています。
問題番号 | 範囲 |
大問1 | 「(1)情報社会の問題解決」「(2)コミュニケーションと情報デザイン」「(4)情報通信ネットワークとデータの活用」 |
大問2 | 「(3)コンピュータとプログラミング」 |
大問3 | 「(4)情報通信ネットワークとデータの活用」 |
(参考)
あくまで試行問題ではありますが、どのような難易度なのかを体感するには最適な問題ですので、一度チャレンジしてみてください。
大問2はプログラミング的思考力を問う問題です
プログラミング的思考力に関しては慣れるまで苦戦することが予想されるので、解説記事も作っています。ぜひ覗いてみてください。
まとめ
試験概要を把握して、対策に繋げよう
大学入学共通テストで実施される「情報」について解説しました。
実施されるまで時間がありますので、変更される点もあるかもしれませんが、英数国理社と並ぶ、れっきとした1科目として実施されようとしています。
ここから追加で公開される情報も併せて把握して、しっかりと受験対策へとつなげていきましょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
それではまたここで会いましょう!
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