【高校】いつから?新しい学習指導要領 各教科の変化ポイントとは

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保護者
保護者

そもそも情報Iって、学習指導要領が改訂されて必修化したんだよね?他にも改定されたことってないの?

生徒
生徒

2022年から新しい指導要領が始まって、2025年にその内容の入試になるなら、知っておくべきことは無いのかな?

今日の記事はこのような疑問をお持ちの方に最適な内容になっています!

コトゼニ
コトゼニ

実はこのような疑問を持つ人、多いんですよ

過去にも学習指導要領の改訂は行われているんですが、正直、学習指導要領が変わって、何にどのように影響が出るのかを教えてくれる人は少ないです。そこで、

  • 新しい学習指導要領がいつから始まるのかわからない
  • 新しい学習指導要領で何が変わったのかわからない
  • 新しい学習指導要領になって自分が何をすべきかわからない

上記の一つでも当てはまる場合は、ぜひこの記事を読んでみてください。

コトゼニ
コトゼニ

実は今回の改訂内容はほぼ全ての教科に影響が加わっています!

2025年度の大学入学共通テストでは改定後の学習指導要領をもとにした範囲から出題されることも決まっています。なので、今回の記事は少し堅苦しい内容になっていますが、受験に直結する内容とも言えます。

学習塾業界で10年以上勤務した私が、その内容を詳しく解説しますので、2025年度以降の大学受験を受ける生徒・保護者にとっては是非とも理解しておきましょう。

\この記事でわかること/

  • 新しい学習指導要領がいつから始まるのか
  • 新しい学習指導要領での各教科の変更点
  • 新しい学習指導要領になってまずは何をすべきか

先に結論をまとめたものをお見せすると、

  • 2022年度から新しい学習指導要領での学習は始まる
  • 各教科への影響・変更点は以下の通り
  • 「国語」→影響・変更なし。変わらず「現代文・古文・漢文」
  • 「地理歴史」→変更あり。日本史A・世界史Aは「歴史総合」へ。日本史B・世界史Bは「日本史探究」「世界史探究」へ。地理総合が必修科目に。
  • 「公民」→変更あり。「公共」科目が追加。
  • 「英語」→影響あり。習得目標単語数が4,000〜5,000語へ増加。
  • 「数学」→変更あり。「数学C」が復活。
  • 「理科」→影響なし。
  • 「情報」→「情報I」が必須化し、その内容が範囲の「情報」科目が入試に出題。
  • まずは、自分が受験で必要な科目にどのような変更があったのかを理解できればOK

となります。それぞれについて順に解説しますので、ぜひ最後まで読んでくださいね!

今回の改訂は平成30年に提示され、学習指導要領が改訂されることが決まりました。小中高と、それぞれ新しい学習指導要領になっているのですが、高校では2022年度より、新しい学習指導要領での学習が始まります。

2022年度の高校1年生から順次改訂されていく新学習指導要領では、ほとんどすべての教科・科目において大きな変更があり、必修科目にも違いが出ています。他の記事でも紹介している、情報Iが必修科目になったこともこの変化の一つですね。

新しい学習指導要領 各教科の変化のポイント

新しい学習指導要領 各教科の変化のポイント「国語」

まずは国語からです。国語の改訂のポイントは以下です!

  • 「言語能力の確実な育成」が重要な改善点として挙げられている
  • 国語総合が分割され「現代の国語」と「言語文化」に。
  • 「現代の国語」は現代文、「言語文化」では古文/漢文を扱うというイメージ

難しく書いていますが、これまでの「現代文・古文・漢文」という中身自体が大きく変化したわけではありません。しかし、言語能力の確実な育成がテーマになっていることで、入試問題においては問題文が長くなるなどの変化は予想できます。

新しい学習指導要領 各教科の変化のポイント「地理・歴史」

続いて「社会」の中の「地理歴史」の変更点です。ポイントは以下の通り。

  • 「地理総合」が必修化
  • 日本史Aと世界史Aの内容を合体させた「歴史総合」が新設・必修科目に。
  • これまでの「日本史B」「世界史B」はそれぞれ選択科目の「日本史探究」「世界史探究」に。

日本史・世界史の内容が合体した「歴史総合」と「地理総合」が必修化されたことで、歴史分野だけでなく地理分野も必修化となりました。勉強すべき内容が増えたといっても過言ではないでしょう。

新しい学習指導要領 各教科の変化のポイント「公民」

続いて「社会」の中の「公民」の変更点です。ポイントは以下の通り。

  • 「公共」という科目が新設され、必修科目に。
  • 「公共」はこれまでの「現代社会」と「倫理」「政治・経済」を一部引き継いだ内容になっている

公民では、「公共」が新設されました。成人年齢が18歳に引き下げられたことや、安全保障や国家主権など、現代を多角的に考察し、解決する力を育成することを目的としたこの科目は必修科目となっています。

新しい学習指導要領 各教科の変化のポイント「英語」

続いて英語の変更点です。

  • 4技能を総合的に評価する「コミュニケーション英語」と習得した知識を実践に移すことができる技能を育てる「論理・表現」の2つの領域で構成されることに。
  • 高校卒業時までに学ぶべき語彙数が3,000語→4,000〜5,000語へ増加

英語は、どの大学・どの学部を受験するにも必要となる教科なので、今なおメインの教科として君臨しています。その英語において、高校卒業時までに必要な語彙数が増えたということは、入試においてもこれまで以上に「単語帳の端の方に載っている単語」まで出題される可能性が高くなるということです。

早期から単語の習得に力を入れましょう。そこが合否の分かれ目になり得るということです。

新しい学習指導要領 各教科の変化のポイント「数学」

続いて数学です。数学は今回の学習指導要領により特に大きく変化した教科です。改訂のポイントは以下の通り。

  • 数学Cが復活
  • これまで数学Bの範囲であった「ベクトル」、数学Ⅲの範囲であった「複素数平面」が数学Cに移行
  • 統計学の分野が強化された

図示するとこうなります。

改定後数学単元一覧

これまで数学Bの内容であった「ベクトル」が数学Cに移行しました。ただ、「ベクトル」の分野は受験で必要になるケースが多いため、文系選択者であっても、数学Cを学ぶ必要が出てくるということです。

生徒
生徒

数学Bから「ベクトル」分野が無くなったら、その分、数Bの範囲は狭まるのじゃないの?

と思うかもしれませんが、

コトゼニ
コトゼニ

「ベクトル」が無くなった分、「統計学」の分野が加わりました

統計学の分野が強化されたことの背景には「情報I」の必修化が関連していると言えるでしょう。

「情報I」で学ぶ「データの活用」という分野では統計学の知識が必要になるのです。そのため、これまで以上に統計学を理解してもらおうという狙いがあります。理解を深めてもらうために、数学Bの「統計的な推測」分野を入試の出題範囲に含めることで全員がきちんと学ぶように仕向けた(必須化させた)と言えるでしょう。

新しい学習指導要領 各教科の変化のポイント「理科」

続いて理科の改訂のポイントです。

  • 理科課題研究の削除
  • 「理数」という教科、「理数探求基礎」「理数探求」という科目が新設

理科については、上記のようにポイントを記載していますが、「理数」という教科については、主にスーパーサイエンスハイスクールを対象としているので、実際の受験への影響はほとんどないと言えます。

新しい学習指導要領 各教科の変化のポイント「情報」

このブログでもこれまでたくさん紹介してきた内容ですね。再度まとめると以下の通りです。

  • 改訂前は「社会と情報」「情報の科学」という科目が、「情報I」「情報Ⅱ」という科目に変更
  • 「情報I」は必修科目に設定された
  • 「情報I」ではプログラミングやデータの活用についても学ぶ
  • 「情報I」を出題範囲とした「情報」が共通テストに追加される

特に大学入学共通テストに追加されるということもあり、話題になっている科目です。

この記事でもまとめていますので、ぜひ併せてご覧ください。

学習指導要領の改訂 自分はまずは何をすれば良い?

受験で必要になる科目どのような変更があったのかを理解できればOK

新しい学習指導要領で学び始めるのは2022年度に入学した1年生からです。そして2025年の大学入学共通テストから新しい学習指導要領での範囲になったテストが始まるのは先にお伝えした通りです。

まずは、1年生の間に、受験で必要になる科目にどのような変更があったのかを理解しましょう。

例えば、

生徒
生徒

英語で必要な単語数が増えたんだ

というような概略の理解でもOKです。その上で、英単語の暗記を早く終わらせよう!という気持ちを持って今日からの勉強を意識して普段の授業・勉強内容をより深く理解しようという姿勢で取り組みましょう。

まとめ

各教科の変更点を理解して受験勉強に役立てよう

新しい学習指導要領について解説しました。

再度、おさらいすると以下のようになります。

  • 2022年度から新しい学習指導要領での学習は始まる
  • 各教科への影響・変更点は以下の通り
  • 「国語」→影響・変更なし。変わらず「現代文・古文・漢文」
  • 「地理歴史」→変更あり。日本史A・世界史Aは「歴史総合」へ。日本史B・世界史Bは「日本史探究」「世界史探究」へ。地理総合が必修科目に。
  • 「公民」→変更あり。「公共」科目が追加。
  • 「英語」→影響あり。習得目標単語数が4,000〜5,000語へ増加。
  • 「数学」→変更あり。「数学C」が復活。
  • 「理科」→影響なし。
  • 「情報」→「情報I」が必須化し、その内容が範囲の「情報」科目が入試に出題。
  • まずは、自分が受験で必要な科目にどのような変更があったのかを理解できればOK

各教科で大なり小なりの変更点が加わっています。受験に大きく影響する変更もありますので、まずはその内容をしっかりと理解しましょう。

次回の記事では、この学習指導要領の改訂を受けた2025年度入試への影響について解説します。併せてご覧ください。

この記事が少しでも参考になれば幸いです。

それではまたここで会いましょう!

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