「物で釣る」で勉強のやる気を出させる。それって良いの?悪いの?

eyecatch-739

保護者
保護者

うちの子、全然勉強しません

生徒
生徒

なんか、もっとわかりやすいご褒美があれば頑張れるんだけどなー

このような経験、ありませんか?

こういった時って、子どもが能動的に勉強しないことにうんざりしてしまったり、もどかしく思ったりしますよね。

一方で子どもからは

生徒
生徒

ご褒美があれば頑張るよ!

とわかりやすく、自分のやる気スイッチを示してくれています。

目の前に人参をぶら下げて走らせる、ご褒美式、「物で釣る」方法ならやる気が出る!と宣言してくるんですよね。

でも、保護者としては

保護者
保護者

ご褒美式でやっても良いけど、でも(それで良いのか自信が無くて)なんか不安

と、戸惑ってしまいますよね。

コトゼニ
コトゼニ

実は、この相談、たくさんあるんですよ

私はこれまで10年以上学習塾業界で働いて、500名以上の生徒の指導を行いました。その経験の中で、実は、多くの保護者からこの相談を受けました。

ですので、誰もが通る悩みなんですよね。

そこで今回は、ご褒美を用意して意欲を刺激する方法を「物で釣る」と表現して、

  • 「物で釣る」というやり方に賛成の意見(理由2つ)
  • 「物で釣る」というやり方に反対の意見(理由2つ)

を見比べた上で、

コトゼニ
コトゼニ

私なりの「意見」を申し上げたい

と考えています。考え方の参考になるかと思いますので、ぜひ最後まで読んでみてください。

なお、今回の記事は、私の経験だけだと偏る場合もありますので、こちらの書籍も参考にしています。

筆者の和田さんはクリニックの院長さんです。出身は東京大学で、母親の声かけが自分の自信につながった、その経験から、この書籍でアドラー心理学を子育てに活かすポイントをまとめています。

生徒
生徒

コトゼニ先生はどちらの意見なんだろ?

なんて、少し肩の力を抜きながら読んでいただけると嬉しいです。

目次に結論をほとんど書いてしまっているので、今回は目次を開かず楽しんでください♪

それでは早速見ていきましょう!是非最後までお付き合いください!

注意

今回の記事はこれまで私がたくさんの保護者からの相談を受けた中で多かった相談をピックアップしたもので、勉強意欲への刺激の与え方について書いたものですが、あくまで一つの考え方であり、強要するものでも否定するものでもありません。

わかりやすいくらい意欲を出す

ご褒美が目の前にある状態って本当に意欲が出ますよね。

普段は苦痛や面倒に思うコトだって「ご褒美があると頑張れる」ことが本当に多いです。

保護者
保護者

宿題が終わったらゲームをやって良いよ

と言った経験はありませんか?そしてそういった時に、

生徒
生徒

え?本当?なら頑張るよ!

と子どもが返答したことがありませんか?

この経験は大人でも身近だと思うんです。

  • お得に交換できるから面倒くさくてもポイ活をする
  • 週末の遊びの予定があるから今週の仕事を頑張れる

このように多くの人にとって「ご褒美が待っている」という状況は、周囲から見ても明らかなくらいに、意欲を出しやすいのです。

結果を出したい気持ち・結果にこだわりやすくなる

「頑張ったらご褒美がある」ということは逆にいうと

「ご褒美をもらうには結果を出さなければならない」ということです。

そのため、これまで以上に「結果を出したい」という気持ちが刺激されます。

そして結果を出すにはどのようにすれば良いかということも考えるきっかけにもなり得ます。

社会に出れば過程よりも結果が重視されるシーンが本当に多いですよね。

子どものうちから結果にこだわる姿勢があれば、社会でも十分通用する力を身につけることになります。

この効果は「ご褒美で釣る」方法ならではとも言えるでしょう。

「物で釣る」というやり方に反対派の意見

ご褒美が無いとやらない姿勢が身についてしまう

「ご褒美で釣る」方法に否定的な意見の最も代表的なものがこの意見です。

確かに、ご褒美があると、一時的には意欲が刺激されるかもしれませんが、

逆にそれに慣れてしまうと、

保護者
保護者

毎回ご褒美、ご褒美と用意していたら、ご褒美が当たり前になっちゃう

という新しい不安が生じてしまいます。

次に紹介する意見にも通ずることですが「努力の対価を求めないことも大事」「努力することそのものが大事」ということを子どもが理解することもとても大切なことです。

そのため、ご褒美ありきの方法だと、「ご褒美」に依存してしまう恐れがある。

だから「ご褒美で釣る」という方法には消極的になるのです。

社会に出たらご褒美がなくても頑張るのが普通

大人でも「ご褒美があると頑張る」なら

保護者
保護者

大人になって社会に出たらご褒美がなくても頑張るのが普通だよ

ということも子どものうちから肌に感じておくことも大事でしょう。

多くの子どもにとって勉強は苦痛・面倒くさく思うことです。ご褒美がなくてもそういったことに向き合う忍耐力、ちょっとのことで見返りを求めない辛抱強さは社会に出てから必ず役立ちます。

勉強を通して、そういった姿勢を身につけるためには、「ご褒美で釣る」というのは得策ではありませんね。

筆者なりの意見

生徒
生徒

で、コトゼニ先生はどうなのさ?

コトゼニ
コトゼニ

私は「物で釣る」というやり方はアリだと思っています

悲喜こもごもあるかもしれません…(たぶん無いでしょうが笑)

反対派のご意見も「ごもっとも」ですし、やはり反動やリスクも理解できます。

それでも私がなぜこの方法に賛成なのか。その理由は

  • 労働の対価として報酬(ご褒美)を得る社会の仕組みを子どもが理解する手助けになるから
  • 努力が報われた経験は子どもに自信をつけるから

です。先に紹介した「自分から勉強する子」の親の言葉で筆者の和田さんも同じことをお話しされています。

もちろん、かの有名な音楽家ベートーヴェンの格言

ベートーヴェン
ベートーヴェン

努力した者が成功するとは限らない。しかし、成功した者は必ず努力している

は「その通り」なんですが、私は

コトゼニ
コトゼニ

「努力したら報われる」経験は子どもに自信をつける!

と考えています。

(子どもだけでなく、大人でも努力したら報われたいし褒められて自信つけたいじゃないですか…!)

ただし、毎度毎度、意欲を刺激するためにご褒美と言っても要求がエスカレートしては収集がつかなくなります。

そこでこのやり方で刺激するにあたっては以下のことを提案します。

  • スポット的に導入する
  • 子どもからこの方法を提案してきたときにだけ採用する

順に説明していきます。

提案① スポット的に導入する

日々の勉強に対してご褒美を出すのではなく、スポット的に導入するのはいかがでしょう。

例えば

  • 定期テストで90点以上獲得
  • 模試で偏差値60以上獲得

という風にすることで子どもにとっても「ここが頑張りどころ」ということを肌で感じることができます。

そして、この「頑張りどころ」を超えるために日々どのようにすれば良いかということを考えるきっかけにすることもできます

その結果、日々の勉強への意欲に還元することができる可能性が高まるのです。

子どもに「考える余白」を与えるためにも、スポット的に導入してみましょう。

提案② 子どもからこの方法を提案してきたときにだけ採用する

2つ目の提案は「子どもからこの方法を持ちかけられたときにだけ採用する」ということです。

コトゼニ
コトゼニ

私も好きなアーティストのCDを買ってもらうために親に相談したものでした

子どもから持ち掛けてくるということは、多くの場合、

  • 自分なりに考えたステップアップの方法
  • 自分なりに考えた意欲維持の方法

であることが多いです。ここで大事なのは「自分なりに考えた」という点です。

子どもから提案してきた時点で「物で釣る」というよりも「交渉」です。

交渉力は大人でもビジネスシーンにおいて重要なスキルです。

つまり、

「物で釣る」という受け身から

「交渉」という能動的な行動にステップアップさせているのです。

こういったときには是非子どもの気持ちを受け止めてあげてください。

まとめ

子どもの性格を考慮して最適な方法を提案しよう

今回は、保護者からの相談でよく頂いた、ご褒美で勉強への意欲を刺激する「物で釣る」方法について、賛成派、反対派の意見をもとに、筆者の意見を書きました。

賛成派の意見

  • わかりやすいくらい意欲を出す
  • 結果を出したい気持ち・結果にこだわりやすくなる

反対派の意見

  • ご褒美が無いとやらない姿勢が身についてしまう
  • 社会に出たらご褒美がなくても頑張るのが普通

筆者の意見

筆者は「物で釣る」方法はアリとした上で、以下を提案しました。

  • スポット的に導入する
  • 子どもからこの方法を提案してきたときにだけ採用する

確実な正解が無いのが、勉強させる者としてのもどかしい反面、奥深いところでもあります。

その子の性格にあったやり方をこれからも提案できるように私も日々勉強の繰り返しです。

一緒に頑張っていきましょう。

この記事が少しでも参考になれば幸いです。

それではまたここで会いましょう!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA