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中学受験でプログラミングを使うところがあると聞いたけど…詳しく知りたいな
という方に向けた記事となっています。
2020年度から実施された学習指導要領により、小学校でもプログラミングの授業が導入されました。プログラミングといっても主にプログラミング的思考力などを養うことが目的です。
- 「小学校でプログラミングを学ぶなら、それを中学受験に使うことはできないのかな?」
- 「プログラミングを使った入試があると聞いたことがある」
というように、どうせ小学校でプログラミングを学ぶなら中学入試にも使えたほうが良いですよね。
そこでこの記事では、プログラミングを中学受験で利用できる学校やその内容などについて、学習塾業界で500人以上を指導した筆者が紹介します。
結論を先に言うと
プログラミングを中学入試に使える学校は少ない。しかし今後は増える可能性は高いということです。
これから中学受験を検討している方はぜひ最後まで読んでみてください!
- 教育業界・学習塾で10年以上勤務。
- 500人以上の生徒に学習・進路指導
- 指導した受験生の合格率 94.7%
- 学習塾で「情報」科を指導・プログラミングの講師
- 「X」で情報Ⅰの語句チェック配信中(@kotozeni)
目次
プログラミング入試とはその名の通り受験科目として「プログラミング」を活用し、点数化、合否判定に活用するというものです。
しかし、まだまだ一般的ではなく、プログラミング入試の実施の方法や活用方法は学校によりさまざまです。
実施方法の例として
- 小学生用のプログラミング教材Scratchを使って試験時間内にプログラムを作成する
- マイクロソフト社のマインクラフトを活用してデザイン思考を取り入れた創造性を評価
- Spheroを活用して論理的思考力を重視する
などがあります。
プログラミングといっても、中学入試の段階ではエンジニアが扱うPythonなど、ハイレベルなプログラミング言語を用いることはほとんどありません。プログラミング的な考え方(プログラミング的思考や論理的思考)や課題発見力などを身につけられているか、といったことが評価されることが多いです。
プログラミング入試の詳細な評価方法が明らかになっているところは少ないですが、プログラムが完成しているかどうかだけで判定されるわけではありません。
与えられた課題が完成しなくても、問題を発見し改善したり、取り組んだことの発表をしたりすることで加点されることもあるのです。
そのため、必要とされる力は「プログラミング的な考え方(プログラミング的思考や論理的思考)や課題発見・問題解決力」と言えるでしょう。
続いて、受験科目にプログラミングがある、もしくはそれを活用した入試方法が導入されている学校を紹介します。
この記事では関西、中でも近畿圏の学校を紹介します。
追手門学院大手前中学校は2020年度から中学入試で新タイプ入試である「WIL(ウィル)入試」を導入しており、「WIL入試Ⅱ期」は、ロボットプログラミンググループワークと面接で選考を行います。
つまり、「学力試験を一切課さない入試」なのです。
出願資格は「2回のWIL学習会の参加と、2回のプレテスト受験とそのアドバイス会の参加を必須」としています。
Ⅱ期は入試当日までにワークショップの参加を必須とし、ロボットプログラミングの基礎を学びます。
当日は、ロボットプログラミングによって解決すべきミッションが提示されて、Scratch(スクラッチ)ベースのソフトウェアでグループでロボットの組み立て、プログラミングの作成、プレゼンテーション、ロボットの実演を行い、その後、振り返りシートに書き込んだことを元に個人面接となります。
時間内にプログラムが出来上がらなくても、それ以外の観点(他の受験生の発表を傾聴できているかなど)でも評価されるため、総合的に評価されることがわかります。
箕面自由学園中学校では「MJG入試」という方式において、「MJG-S」型でプログラミングのワークショップがあります。
同受験方式では、「学習力テスト」と「基礎学力テスト」に分かれており、
「学習力テスト」は
- 授業を聞く態度(集中力・理解力)
- 自分で考える力(思考力)
- 仲間と協働する力(コミュニケーション力)
- 伝える力(表現力)
これらをプログラミングのワークショップを通して測ります。
「基礎学力テスト」は計算力と語彙力を測るテストです。
武庫川女子大学付属中学校では「プログラミング入試」という受験方式があります。
同形式では
- ①プログラミング実技試験(50分 60点)
- ②国語・算数 基礎力テスト(30分 40点)
- ③資格や受賞歴、児童会役員等に関することがら
①~③の項目について、総合的に判定し、希望コースごとの得点により選考されます。
(参考:武庫川女子大学付属中学校入学試験募集要項)
先の2校と違って、個人単位で実技を評価されるのが特徴的ですね
続いて、直接的に科目としてのプログラミングではありませんが、プログラミングスキルを測る検定「ジュニア・プログラミング検定」を取得していることで優遇措置をもらえる学校を紹介します。
ジュニア・プログラミング検定とはプログラミングを学ぶ子ども達を対象とした資格試験です。Scratchというビジュアルプログラミング言語を使用してプログラミングスキルを測定し、その能力を証明・認定します。
資格ランクは以下のように分けられており、それぞれの基準も以下の通りです。
ランクと認定基準
級 | 認定基準 |
---|---|
Gold(1級) | 複数の条件や筋道を組み合わせた論理的思考ができる。また、複数の条件分岐や演算、入れ子構造のスクリプトなどを使って、様々なスプライトを連動させたScratchプロジェクトを作成することができる。 |
Silver(2級) | 基本的な条件や筋道を用いた論理的思考ができる。また、複数の条件分岐や入れ子構造のスクリプトなどを使って、少数のスプライトを連動させたScratchプロジェクトを作成することができる。 |
Bronze(3級) | 単純な条件や筋道を用いた論理的思考ができる。また、条件分岐や繰り返しなどのスクリプトを使って、少数のスプライトを連動させたScratchプロジェクトを作成することができる。 |
Entry(4級) | 入門レベルの特定の条件や筋道を用いた論理的思考ができる。また、条件分岐や繰り返しなどのスクリプトを使って、一つまたは二つのスプライトを連動させたScratchプロジェクトを作成することができる。 |
また、このジュニア・プログラミング検定を中学入試に活用できる(優遇措置がある)中学校は以下です。
入試優遇校一覧
都道府県 | 学校名 | 優遇対象となる級種 | 優遇の内容 |
---|---|---|---|
東京都 | 八王子実践中学校 | Bronze(3級)以上 | プレゼンテーション入試(プログラミング型)の出願資格とする※出願者は面接試験のみ |
神奈川県 | 相模女子大学中学部 | Bronze(3級)以上 | プログラミング入試において合格判定を考慮する |
静岡県 | 浜松開誠館中学校 | Bronze(3級)以上 | 入試選抜結果に加点をする |
愛知県 | 愛知真和学園 大成中学校 | 全級 | 専願「かがやき」において合格判定を考慮する |
奈良県 | 智辯学園奈良カレッジ中学部 | Gold(1級) | 「特色入試」の出願資格として扱う |
2023年9月時点では対象校は決して多くはなく、関西では奈良県の智辯学園奈良カレッジ中学部のみとなっています。
ここまで受験科目として設置されている中学校、資格を所有していれば優遇措置のある学校、それぞれを紹介しました。
ただし、対象となる中学校はまだ多くなく、プログラミングを学ばせるかどうか悩みますよね。
筆者はプログラミングを学ばせて良いと考えます。
それはプログラミングを学べば論理的思考力が身に付きやすいからです。特に、小学校低学年から学ぶのが良いと言えるでしょう。
プログラミング的思考は論理的思考と深く関わっており、「なぜそうなのか」ということを考える癖を身につけることができます。そしてその論理的思考はいまや中学受験のみならず必要なスキルとして位置付けられています。
プログラミングを受験科目として直接的に設定している学校が少ないことを考えると、引き続き、算数・国語・理科・社会を徹底的に学習することが必要となります。
中学受験の勉強においても論理的思考は役立ちますので、高学年にさしかかる頃から本格的な受験勉強を始めるためにも、小学校低学年のころにプログラミングを通して、プログラミング的思考力・論理的思考力を養うのは非常に有効と言えるでしょう。
あとで読む
【プログラミング的思考・論理的思考】違いと鍛える方法2つ(情報1)プログラミング入試を利用することを検討していたり、あるいはプログラミング的思考や論理的思考を鍛えるためにはプログラミング教室を活用することがオススメです。
もちろんプログラミングを通して身につけられる論理的思考力や試行錯誤する力といったものは、必ずしもプログラミング教室に通わなければいけないというものではありませんが、専門の場所で身につけるほうが近道と言えるでしょう。
中学受験におけるプログラミング入試について紹介しました。2023年度時点ではまだまだ導入されている学校は少ないですが、プログラミングを通して身につけられる「プログラミング的思考」「論理的思考」は一筋縄では解けない中学受験の問題を解くのに役立つでしょう。
また、2025年度から大学入学共通テストで「情報」が追加され、プログラミング的思考の必要性がこれまでより求められることが明らかになれば、プログラミング入試を活用する学校も増加することが見込まれます。
▶︎大学入学共通テスト「情報」についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
共通テスト「情報」対策に必要なことは?塾講師が解説!勉強法と参考書そのため、入試で使うかどうかは別としても、プログラミングに早くから触れておくことは非常に大事と言えるでしょう!
最後まで読んでいただきありがとうございました。
この記事が少しでも参考になれば幸いです。
それではまたここで会いましょう!
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