【情報Iの対策】情報関係基礎を活用する人が共通テストを制す理由

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コトゼニ
コトゼニ

先日、大学入学共通テストが行われたので「情報」が加わるテストまで2年を切りました…!

みなさん、こんにちは。

令和5年度の大学入学共通テストが終わり、平均点も少しずつ開示されてきています。

そして、新しい範囲になったり教科が加わったりする2025年度の大学入学共通テストまで2年を切りました…。

先日実施された、令和5年度の試験でも「情報」を意識した出題か?という分析も見られています。

共通テストで多く問われるようになった、資料や図表、グラフなどを読み解いて考える力を問う問題、複数の文章や資料を題材として深く考察する力が求められる問題についても、多くの科目で引き続き出題されている。これらは読み取りと正解を導く過程や判断に時間が必要となり、限られた時間内に多くの情報を処理する能力が求められている。

河合塾「大学入学共通テスト 総合コメント」(文字ボールド:筆者)

このように少しずつ「情報」を意識することが多くなる中、今年の試験でも「情報関係基礎」という科目が実施されていることをご存知でしょうか。

「情報関係基礎」は数学IIBの時間に受験することができる科目です。しかし、受験数が少ないこともあり、大手予備校などでもあまり対策対象にならない現状があります。

しかし、この科目は「情報」の対策に活用できるのです。そこで今回は

  • 「情報関係基礎」を「情報」の対策に使える理由
  • 「情報」の対策に活用するコツ

を紹介します。

ぜひ最後までお付き合いください♪

本記事の信頼性

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コトゼニ(@kotozeni
  • 教育業界・学習塾で10年以上勤務。教員免許状所持
  • 500人以上の生徒に学習・進路指導:合格率 94.7%
  • プロ家庭教師・小学校学習支援サポーター、校内予備校の教室長
  • AIツールやオンラインでの豊富な指導経験を持つ
  • 不登校傾向のある生徒やギフテッドの特徴を持つ生徒も指導中

そもそも情報関係基礎ってどんな科目?

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まずは情報関係基礎について詳しく紹介していきます。

情報関係基礎は共通テストの試験科目

情報関係処理は大学入学共通テストの「数学IIB」の時間に実施されている科目です。

その出題範囲は

『情報関係基礎』は,専門教育を主とする農業,工業,商業,水産,家庭,看護,情報及び福祉の8 教科に設定されている情報に関する基礎的科目を出題範囲とする。

令和5年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト出題教科・科目の出題方法等及び問題作成方針

となっており、

専門学科で取り扱われる「情報」に関する科目の試験科目として設置されています。

情報関係基礎は受験に使える?

生徒
生徒

あまり聞き馴染みのない科目だけど、受験で使える大学はあるの?

大学選びから合格まで、大学受験生をサポートする「大学受験パスナビ」で数ある国公立大学を確認してみると

  • 東京大学
  • 北海道大学
  • 大阪大学(学部によっては使用不可)
  • 名古屋大学
  • 神戸大学 等

といった有名難関大学で大学入学共通テストの「数学IIB」の時間枠の科目として認められています。

情報関係基礎の難易度は受験者数は?

情報関係基礎は問題にさえ慣れていれば「標準的」と言える難易度でしょう。

令和5年度の大学入試共通テスト(2023年1月14日・15日実施)の中間集計によると(2023/01/18時点)

  • 受験者数:112名
  • 平均点:62.09点

(出典:大学入試センター「令和5年度大学入学共通テスト(本試験)平均点等一覧(中間集計)」)

となっており、数学IAやIIBと比べても

  • 数学IA:58.08点
  • 数学IIB:64.86点

(出典:大学入試センター「」)

大差がない平均点となっています。

さらに、大学入学共通テストは平均点50点を目標に作成されていることを合わせて考えると、その難易度は決して高いとは言えないでしょう。

▶︎「【共通テスト2023】情報関係基礎 問題分析と解くポイントを解説」でも詳しく紹介しています。

eyecatch-3439【共通テスト2023】情報関係基礎 問題分析と解くポイントを解説

情報関係基礎を受験で使う際の2つの注意点

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生徒
生徒

それだったら、数学IIBが苦手な人が多いけど、なんで情報関係基礎を受験しないの?意外と狙い目な科目じゃない?

という疑問もあるかもしれません。

しかし、受験で使う際には以下の2つに注意しておくことが必要です。

  • 二次試験では数学IIBが必要な大学や学部が多い
  • 指導できる人が少ない

です。順に紹介します。

二次試験では数学IIBが必要な大学や学部が多い

1つ目の注意点は、「二次試験で数学IIBが必要な大学や学部が多い」です。

確かに数学IIBは「数列」「微積分」といった難しい範囲があり、毎年難易度も変動するくらいの科目で苦手とする受験生も多いのが特徴です。

しかし、国公立大学の二次試験では「数学IIB」を範囲とした問題が出題されることが多いため、普通科でも「情報」の授業は実施されているところが多いですが、ほとんどの受験生は二次試験を見越して「数学IIB」を選択しているのです。

そのため、

  • 二次試験に数学が課されない
  • 二次試験が小論文など学科試験がない

という大学では受験科目として選択しても良いと言えるでしょう。

もちろん「自分の興味のある分野」からなるべく進路は選んで欲しいため、受験科目だけで受験校を選択するのは好ましくありませんが、

  • 自分の行きたい大学の受験科目で情報関係基礎が使える
  • 二次試験で数学が課されない
  • 「情報」科に自信がある

という場合には、受験科目の候補として検討してみるのも良いでしょう。

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指導できる人が少ない

2つ目の注意点は「指導できる人が少ない」という点です。

情報関係基礎は残念ながら指導できる人が少ないのが現実です。この点は「情報I」の指導者が少ないことと一致しています。

高等学校情報科担当教員に関する現状について

文部科学省の調査(令和2年実施)し各都道府県の教育委員会に通達した資料(令和3年)によると情報科を指導している教員5,072人のうち、臨時免許状で指導している教員が256人、免許外教科担任が954人、計1,210人が普通免許状を持たず担当することになるという苦しい現状があります。

(参考)(別紙1)高等学校情報科担当教員の専門性向上及び採用・配置の促進について(通知)

eyecatch-361【対策あり】大学入学共通テスト情報I対策について塾目線での懸念点3つとは?

大手予備校の講座や模試の科目を見ても「数学IIB」に限定されていることが多く、そもそも対策対象として候補に上がっていない現状があります。

コトゼニ
コトゼニ

模擬試験の科目にもなっていないのは、偏差値なども判定できないのでなかなか大変ですね…

つまり、

  • 自分で学習する
  • 学校の先生に指導してもらう

このいずれかの方法で受験勉強を進める必要があるのです。

このような現状をしっかり把握した上で、受験科目として利用するかどうかを判断しましょう。

「情報関係基礎」を有効に活用するコツ

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「情報関係基礎」は現状の受験の仕組みでは受験科目としては活かしづらい印象が残りますが、「情報I」の対策教材として活用することが有効な活用方法と言えます。

その理由は

  • 範囲が似ている
  • 情報Iの問題集が現時点では少ない

からです。

順に詳しく紹介します。

情報Iと範囲が似ている

一つ目の理由は「範囲が似ている」からです。

「情報I」の範囲は以下の通り

情報Iで学習する分野
  • 情報社会と問題解決
  • コミュニケーションと情報デザイン
  • コンピュータとプログラミング
  • 情報通信ネットワークとデータの活用

そして、令和5年度に実施された情報関係基礎の問題構成は

大問出題内容
第1問小問集合(IT基礎知識、情報セキュリティ、論理演算など)
第2問規則性を問う問題
第3問(選択問題)プログラム読解問題
第4問(選択問題)表計算ソフト読解問題

となっています。

一見、「似ているの?」と思われるかもしれませんが、

  • (情報関係基礎)第1問「IT基礎知識、情報セキュリティ、論理演算」▶︎(情報I)「情報社会と問題解決」
  • (情報関係基礎)第3問「プログラム読解問題」▶︎(情報I)「コンピュータとプログラミング」

このように、範囲が重複している部分があるのです。

たとえば(情報関係基礎)第1問と、「情報I」の試作問題の第1問を見比べてみると

第1問問1v2
(情報関係基礎)第1問(特に問題bに注目)

試作問題問1
「情報I」の試作問題の第1問

出題方法が全て一致することはありませんが、

このようにいずれも、IT機器を利用する上での基礎知識を問う問題になっています。

また第3問についても、それぞれ「プログラミング的思考」を問う問題になっています。

第3問問3v2
(情報関係基礎)第3問
試作問題第3問
「情報I」の試作問題の第3問

ここからもわかるように「情報関係基礎」と「情報I」範囲が似ているのです。

情報Iの問題集が現時点では少ない▶︎「情報」の実践問題として活用!

2023年1月時点では「情報I」の問題集がほとんどありません。

大学入試センターが公表している

  • サンプル問題
  • 試作問題

くらいしかありません。しかも、それらも量が少ないです。

また令和7年度に初実施となるため、「過去問が無い」のです。

受験対策する上では過去問から「傾向を知る」「当日の解く順番などを整理する」ということが必要ですが、「情報」に対してはそれを行いづらいのです。

しかし、この情報関係基礎は出題形式や範囲が似ているため「情報」の実践問題として活用できるでしょう。

「情報」の問題は慣れていないため難しく感じやすいですが、慣れれば高得点も狙うことができるでしょう。

現状では、「慣れるための演習量を確保できない」という懸念点が残るため、この情報関係基礎の問題も有効活用することが必要です。

eyecatch-2491【最新】(情報1)共通テスト試作問題 難易度と3つの対策

まとめ

大学入学共通テストの試験科目の一つである「情報関係基礎」の「情報I」への有効活用方法を紹介しました。

「情報I」の受験用の問題集がほとんど無い現状、そして試験当日に高得点を狙うには「問題に慣れるほどの演習量」が必要なことを考えると、「情報関係基礎」の問題を「情報」の実践問題として活用するのが良いと言えるでしょう。

2年後には「情報」が試験で初実施されています。少しずつ対策を始めるためにも、「『情報関係基礎』の問題を解けるように、まずは勉強する」という方針を持ってみましょう。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

この記事が少しでも参考になれば幸いです。

それではまたここで会いましょう!

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