高校の情報教育・プログラミング:いつから必修科目に?

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保護者
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高校で「情報」を学ぶって聞いたけどいつからなの?

という方にピッタリな記事になっています。

「高校でプログラミングが必要」という言葉も聞いたことがあるのではないでしょうか。それは実は、「情報1」が高校で必修化されたからなのです。

この記事では、「情報1」が必修化されるのはいつからなのか、その「情報1」の内容がどのようなものなのかを学習塾で情報科も指導している筆者が解説します。

ぜひ最後まで読んでみてください。

本記事の信頼性

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コトゼニ(@kotozeni
  • 教育業界・学習塾で10年以上勤務。
  • 500人以上の生徒に学習・進路指導
  • 指導した受験生の合格率 94.7%
  • 学習塾で「情報」科を指導・プログラミングの講師
  • 「X」で情報Ⅰの語句チェック配信中(@kotozeni

高校の「情報1」必修化はいつから?

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学習指導要領が改定され、2022年度から高校で「情報1」科目が必修となりました。

コトゼニ
コトゼニ

2023年に高校2年生になる学年の生徒たちから必修になっています

ただし、「情報1」を学ぶタイミングが学校により異なります。

多くの学校では高校1年生時点で学ぶようですが、大学入学共通テストを見越して高校2年生で学ぶ学校もあります。

コトゼニ
コトゼニ

1年生で学ぶと受験までの1年間に「情報」を勉強しないことになります…その不安を拭うためでしょう

高校の「情報1」の内容は?

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高校「情報1」で学ぶ範囲・内容

それでは高校で学ぶ「情報1」はどのような内容になっているのでしょうか。

その範囲は、

  1. 「情報社会の問題解決」
  2. 「コミュニケーションと情報デザイン」
  3. 「コンピュータとプログラミング」
  4. 「情報通信ネットワークとデータの活用」

に分かれています。それぞれの範囲でどのようなことを学ぶのかを紹介します。

情報社会の問題解決

「情報社会の問題解決」分野では、情報と情報技術を通じて、問題解決能力や社会的な責任感、倫理観などを身に付けることを目標にしています。

文部科学省が制定している「学習のねらい」では

【知識と技能】

  • 情報やメディアの特性を考慮して、情報と技術を使って問題を見つけたり解決したりする方法を学びます。
  • 情報に関する法律や規制、情報のセキュリティの重要性、個人の責任や情報のモラルについて理解します。
  • 情報技術が人や社会に果たす役割と影響について理解します。

【思考力と判断力】

  • 目的や状況に応じて、情報と技術を適切に使って問題を見つけたり解決したりする方法を考えます。
  • 情報に関する法律や規制、マナーや個人の役割、情報のモラルなどを科学的に捉え、背景を理解し考察します。
  • 適切で効果的な情報と技術の活用と、理想的な情報社会の構築について考えます。

と定められています。

この範囲では、

  • 情報の特性
  • 知的財産権
  • 情報セキュリティ など

といった語句を学びます。

コミュニケーションと情報デザイン

「コミュニケーションと情報デザイン」分野では、メディアの特徴を理解して、情報を分かりやすく伝えるための知識と技能、思考力と判断力を育てることを目標にしています。

【知識と技能】

  • メディアの特性やコミュニケーション手段の変遷を科学的に理解します。
  • 情報デザインがどのように人や社会に影響を与えるかを理解します。
  • 効果的なコミュニケーションを行うための情報デザインの考え方や方法を学び、実際に表現する技術を磨きます。

【思考力と判断力】

  • メディアとコミュニケーション手段の関係を科学的に理解し、目的や状況に応じて適切なものを選ぶ能力を養います。
  • コミュニケーションの目的を明確にし、効果的な情報デザインを考える力を養います。
  • 効果的なコミュニケーションを実現するための情報デザインの考え方や方法に基づいて表現し、評価して改善する力を身に付けます。

この範囲では、

  • 情報デザインとプレゼンテーション
  • 2進数・16進数
  • 文字のデジタル表現 など

といった語句を学びます。

情報通信ネットワークとデータの活用

「情報通信ネットワークとデータの活用」分野では、情報通信ネットワークと情報システムを活用して、問題を解決するための知識とスキル、思考力と判断力を育てることを目標としています。

【知識と技能】

  • 情報通信ネットワークのしくみや要素、プロトコルの役割、情報セキュリティの確保方法や技術を理解します。
  • データの蓄積・管理・提供方法、情報通信ネットワークを介して情報システムが提供するサービスのしくみや特徴を理解します。
  • データを表現・蓄積する方法とデータの収集・整理・分析技術を身につけます。

【思考力と判断力】

  • 目的や状況に応じて、情報通信ネットワークで必要な要素や情報セキュリティ確保方法を選び、考える力を養います。
  • 情報システムの提供するサービスを効果的に利用する方法を考える力を育成します。
  • データの収集・整理・分析・結果表現の方法を選び、実行し、評価・改善する力を身につけます。

これらのことが学習のねらいとして定められており、

  • 通信プロトコルとパケット
  • データベースと情報システム
  • データの分析 など

といった語句を学びます。

コンピュータとプログラミング

最後に紹介するのが、「コンピュータとプログラミング」分野です。

この分野ではコンピュータの仕組みやプログラミングを通じて、問題解決に必要な知識、技術、思考力、判断力を養うことを目標にしています。

【知識と技能】

  • コンピュータや外部装置のしくみや特徴、情報の内部表現と計算の限界を理解します。
  • アルゴリズムの表現方法やプログラミングを通じてコンピュータや情報通信ネットワークを活用する技術を学びます。
  • 社会や自然の事象をモデル化し、シミュレーションを通じてモデルを評価・改善する方法を理解します。

【思考力と判断力】

  • コンピュータが扱う情報の特徴とコンピュータの能力の関係を考える力を養います。
  • 目的に合ったアルゴリズムを考えて適切な方法で表現し、プログラミングでコンピュータや情報通信ネットワークを活用し、その過程を評価・改善する能力を身に付けます。
  • 目的に合わせてモデル化やシミュレーションを行い、その結果から適切な問題解決方法を考える能力を育てます。

これらが学習のねらいに定められており、

  • コンピュータの基本構成
  • アルゴリズム
  • プログラミング など

を学びます。つまり、プログラミングが必修となったのです。

高校でのプログラミング教育が必修に!

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内閣府「society5.0」

高校におけるプログラミング教育が必修化されることで、情報社会に対応する力・問題解決に必要な知識、技術、思考力、判断力を育成する狙いがあります。

プログラミング教育の背景と経緯 -Society5.0-

高校でのプログラミング必修化は、政府が提唱する「Society5.0」に関連していると言えます。

Society 5.0とは、最新のテクノロジーを活用して社会の課題を解決し、人々の生活や経済をより持続可能で豊かなものにするためのビジョンです。

学習指導要領を踏まえた大学入試センターの「導入の考え方」では、

「未来投資戦略 2018―「Society5.0」「データ駆動型社会」への変革―(平成 30年6月 15 日閣議決定)」により,「義務教育終了段階での高い理数能力を,文系・理系を問わず,大学入学以降も伸ばしていけるよう,大学入学共通テストにおいて,国語,数学,英語のような基礎的な科目として必履修科目「情報Ⅰ」(コンピュータの仕組み,プログラミング等)を追加する」とされている。

「平成 30 年告示高等学校学習指導要領に対応した令和7年度大学入学共通テストからの出題教科・科目について」大学入試センター

とあります。つまり、義務教育終了段階での高い理数能力を,文系・理系を問わず,大学入学以降も伸ばしていけるよう、プログラミングの考え方を身につけよう、ということでプログラミング教育が必修化されたと言えるのです。

プログラミング授業の具体的な内容

では高校の「プログラミング」はどのようなことを学ぶのでしょうか。

情報Iで学ぶプログラミングについては、プログラムを作るために必要な考え方(アルゴリズムなど)を勉強することになります。プログラミング言語は「Python」や「JavaScript」、「VBA」などが候補にあり、どの言語を選択するかは学校の先生が選ぶことになっています。実際にどの程度のプログラムを実践として制作するかは指導する先生の匙加減に左右されますが、プログラムの根底となる考え方については、学ぶことになっています。

高校でのプログラミング授業では、ゲームプログラム作成やWEBプログラミングなどの実践的な内容が含まれます。これにより、コミュニケーション能力や情報デザインに関するスキルも向上させることが狙いです。

情報1を履修したのちに選択科目として制定されている「情報Ⅱ」では、より実践的な内容を学びます。

たとえば、実技内容として

  • Webアプリケーションの作成
  • プロジェクションマッピング

なども含まれています。

▶︎こちらの記事で詳しく紹介しています。

eyecatch-855【教科書がすごい】大人も「おお!」と驚愕する情報IIの内容

プログラミング問題が大学入学共通テストに出題される

情報科目の改訂により、大学入試や中学入試にも影響を与える可能性があります。特に、大学入学共通テストは2025年度から「情報」が追加されます。その出題範囲は「情報1」の内容となっています。

つまり、大学入学共通テストで「プログラミング」が必要となるのです。

既に公表されている試作問題やサンプル問題でもプログラミングが出題されていることがわかります。

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これらのことから、大学入試対策に「プログラミング」対策が必要となったのです。

併せて読みたい

▶︎こちらの記事では共通テスト「情報」の対策方法を紹介しています。

共通テスト情報・対策共通テスト「情報」対策に必要なことは?塾講師が解説!勉強法と参考書

▶︎共通テスト「情報」のおすすめ参考書はこちらの記事で紹介しています。

eyecatch-4818高校情報Ⅰ おすすめ参考書・問題集【2024年2月】最新書籍と選び方

まとめ

高校では2022年度から「情報1」が必修化され、プログラミングが必修となりました。

もう既にプログラミング教育は始まっているのです。

また大学入学共通テストも2025年度から「情報」科が追加され、その内容には「プログラミング」も含まれます。

大学入試対策のために「プログラミング」対策もしっかりと行うようにしましょう。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

この記事が少しでも参考になれば幸いです。

それではまたここで会いましょう!

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